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[〖全年龄〗] 【原創】明治吸血奇譚「月夜叉」如月の巻 四朗 CV.梶 裕貴 [本篇台本 翻訳無]

发表于 2015-5-1 00:14:34 |阅读模式
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本帖最后由 Civien 于 2015-5-1 01:34 编辑
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若有失误还请大家多多包涵~m(_ _)m[j]XYO15 RQB5F1[/j]
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Ps. 文中有两处人名,查了很久还是查不到相关人物。也不便随意猜测,所以使用了片假名书写[j]XYO15 RQB5FA[/j]
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、運命の人
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ああ、お目覚めだったのですね。ノックもせず、失礼しました。なるほど、貴女が噂の…どのような方かと思っていましたが、特に外見的な特徴はないようですね。まあ、これならば、今まで探し当てられなかったのも無理はありません。おや、どうして怯えるのですか?唯一の卑弥呼の末裔に手荒な真似などしませんよ。私はかもしれませんが。まさか知らなかったとでも?ああ、そう言えば貴女はご両親を亡くし、この北海道の地へとやってきたんでしたね。霧乃助から聞いていますよ。確かにご両親が不在なのであれば、知らなくても仕方のないことなのかもしれません。しかし、貴女が自らの血筋を知っていようがいまいが、そんなものは瑣末な問題です。そのうちに流れる血には何の影響もないのですから。さて、まず何も知らない貴女に、どこからお話しいたしましょうか?ここは北海道の山奥に建つ黎明館の一室です。この館には私を含む六人の夜叉が住んでいます。夜叉というのは、人間の血を吸って生きる鬼のことです。つまり、あなた方人間にとっての悪魔のような存在でしょう。古代から卑弥呼の末裔である人間の血は、夜叉にとって特別なものとされています。夜叉の血を濃くし、溢れんばかりの活力を与えると。時代の流れと共に夜叉の数が減り、今夜叉の血は極限にまで薄まっています。だからこそ、貴女の血が必要なのです。これが貴女が館に連れて来られた理由なのですが、ご理解いただけましたか?ええ、一度にすべてを受け入れるのは難しいかもしれません。ですが、時間はたっぷりあるんです。少しずつ理解してくだされば、それでいいのですよ。そうそう、先ほど私は夜叉のことを悪魔と形容しましたが、吸血されることは必ずしも人間にとって悪いことばかりではありません。手を貸していただけますか?大丈夫。絶対に痛い思いはさせないと誓います。一度私に吸われてしまえば、貴女のお気持ちも少しは変わるでしょう。貴女に一刻も早く心を開いていただけるように。これは素晴らしいですね。少々恐怖で血が濁っていますが、確かに貴女の血は特別なもののようです。はは、私の牙がお気に召しましたか?いいえ、答えずとも構いません。貴女のその表情を見るだけで、お気持ちは手に取るように分かります。私は夜叉の中でも特に吸血が得意なようですから。この牙で貴女の心もすぐに奪ってみせましょう。私の名前は四郎。お好きなようにお呼びください。貴女という存在に心からの敬意を表します。貴女こそが私の求めていた女(xing)です
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、伴天連[j]XYO15 RQB5FY[/j]

[j]XYO15 RQB5FX[/j]失礼します。少しお時間をいただきたいのですが、よろしいですか?貴女を山の麓にある街へとご案内しようかと思いまして。これからこの館で暮らすにあたって、街へ出向く機会は増えます。道を覚えるのは早いほうがいいでしょう?玄関で待っていますから、支度を終えたら出てきてください。と言っても、持ってきた荷物は霧乃助に捨てられてしまったようなので、支度も何もないかもしれませんが。とにかく、お待ちしておりますね。では、また後ほど。ここからしばらく行けば、いずれ街が見えてきますよ。山道を下るのは少々骨が折れますが、だんだんと慣れていくでしょう。ん…はは。ほら、余所見をしないでください。そうきょろきょろしては、隙を見て逃げようとしていることが丸分かりですよ。いいえ、至極当然のことですから、それを咎めるつもりはありません。ですが、貴女はもう私たちから逃れられない運命にあるのです。貴女の体に流れる血は夜叉にとって、普通の人間何百人…いえ、何千人分もの価値があるのです。つまり、もし貴女が逃げ出すと言うのなら、その代わりにそれだけの数の人間が私たち夜叉に吸い殺されてしまうということ。もちろん、信じようが信じまいが貴女の   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   ですし、それでも逃げると言うのならば、私たちに引き止める権利はありません。ですが、単純に私は貴女ともっと話がしてみたい。このまま離れるだなんて、そんなのは嫌です。貴女は私にとって、何よりも大切な存在となる。その温かな血を一口飲み込んだ時、そう直感したのです。もしもほかの夜叉が貴女に何かしようとしたならば、私は身を挺してでも、貴女をお守りするつもりです。私を試したっていい。だからどうか、すぐにでも館から去ろうだなんて考えないでくださいませんか?山からの道を覚えたのなら、一人で街へ下りることも可能になるでしょう。そうすれば、いずれは今までと変わらず   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   に暮らせるようになりますから、ね。ありがとうございます。物分かりの良い方で安心しました。さあ、街が見えてきましたよ。ご案内いたしましょう。こちらの通りには生活雑貨が多く売っています。何か必要なものがあれば、この辺りを探してみるのがいいでしょう。それと、向かいの通りには様々な食材が売っていますよ。貴女は頻繁に足を運ぶことになるでしょうね。あとは…ん、向こうの道ですか?ああ、あの道の先には教会が建っています。ですが、貴女には関係のない場所でしょうから、行く必要はありません。それに、あの辺りは少々物騒なのです。このところ、教会の焼き討ち事件が相次いでいるんですよ。最近になって、ようやく国からキリスト教が認められましたが、以前は弾圧の対象でしたからね。やはりまだ恨みを持ち、撲滅しようと裏で動いている輩がいるんでしょう。伴天連として、どうにかしたいとは思うのですが。ああ、言っていませんでしたね。私はキリシタンなんですよ。今は北海道に落ち着いていますが、少し前までは全国を行脚し、伴天連として布教活動をしていました。なので、私は教会に出向くことが多いのですが、キリシタンならまだしも、そうでない貴女が危険を冒してでも向かう場所ではありません。だから、いいですね。あの教会には近付かないようにしてください。分かりましたか?ありがとうございます。頷いてくれるならば、私も安心です。そうそう、あの店でちょっと買いたいものが…あっ…ああ、いえ、その…そこに栄福堂と書かれた甘味処があるでしょう。せっかく街に出たので、水羊羹を買って帰れればと思っていたのですが。売り切れの看板が出ていますね。残念です。甘過ぎずほどよい食感が堪らないので、ぜひ貴女にも召し上がっていただきたかったのに。ええ、甘味は大好きですよ。この辺りの甘味処にはすべて足を運んでいます。特に栄福堂の水羊羹は小豆の産地や寒天の精製自体から拘っているらしく、ほかの店のものとはわけが違うのですよ。私からすれば、北海道一…いえ、日本一と言っていいほどで。っ…なぜ笑っているんですか?はは、私は初めから怖くなんてありませんよ。ですが、少しでも貴女が警戒心を解いてくれたのなら、よかったです。あまり格好の良いきっかけではありませんでしたけど。それより、今後の貴女のために食材を調達しなければいけませんね。とりあえず、野菜でしょうか。それならば、こちらのお店ですね。ああ、たくさん置いてありますね。人の食事はよく分からないんですが。えっと、まず人参。ん?どうかしましたか?ああ、これは蔕が変色してしまっているんですか。うん…こっちならばいいのですか?違いが明瞭ではありませんね。では、大根も蔕が色鮮やかなものを。っ、これでは駄目なのですか?大根はきめが細かいもの。ふーん、貴女は随分と慎重に野菜を選ぶんですね。そうは言っても、そこまで大きく味が変わるわけではないのでしょう?ですが、貴女がそう言うのならば、美味しいものはすべて買い占めてしまいましょう。ええ、それがいい。これと、これと、うん、多分これも。どうされました?あ…はは、そうですね。確かにこんなに買っては食べ物を粗末にすることになります。申し訳ありません。はは。すみません、笑ってしまって。思えば伴天連となってからというもの、誰かにお叱りを受けたのは初めてでしたから、つい。はは。いいえ、勘違いをしないでください。むしろ私は嬉しいんですよ。本当に何年振りのことなのか、見当がつきません。これから先を貴女と過ごすのがますます楽しみになってきましたよ。貴女は私の生活にどんな変化をもたらしてくれるんでしょうね。さて、必要な分はこのくらいでしょうか。些か心許ない気もしますが、あなたの言う通り、腐ってしまっては元も子もありませんからね。足りなくなったならば、また街に下りて買い足しましょう。すみません、これをいただけますか?おいくらでしょうか?では、これで。さあ、次は何を買いましょうか?お肉もいいかもしれませんね。あと牛   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   なども必要ですか?あ、髪にごみが付いていますよ。取って差し上げます。っ…あ、私の目が気になるんですね。ええ、ご覧の通り私の目は左右で色が違うのです。これは私が夜叉として生まれてきたことの証とも言えるでしょう。とは言え、現在ほかにこの目を持つ夜叉は日本中どこを探しても、私以外にいないでしょうね。まあ、詳しいことは追い追いお話ししましょう。とにかく、今は買い物を済ませないといけませんからね。さあ、次はあちらのお店に行きましょうか。美味しい牛   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   があると評判らしいですよ。はあ、何だか今日は楽しいですね。こんなにも心が踊るのは一体どうしてなのか。自分でもよく分からないほどです。どうかお気になさらず、私が一人で浮かれているだけですから。貴女といれば、繰り返すだけのつまらない日々に新たな発見を得られる、そんな予感がするんです
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[j]XYO15 RQB5EY[/j]、甘美なる吸血
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[j]XYO15 RQB5GJ[/j]いらっしゃいますか?突然すみません。先ほど館に戻ってきたのですが。ほら、この間言っていた栄福堂の水羊羹を買ってきたんです。よろしければ、ご一緒にいかがですか?よかった。実はもうお茶も用意してあるんですよ。冷めてしまわないうちに、私の部屋へどうぞ。さあ、中へ入ってください。ん?何かおかしなものでもありましたか?ああ、なるほど。確かに不思議に思うかもしれませんね。私は伴天連ではありますが、部屋に聖書を置いたりはしません。まあ、そういった主義というのでしょうか。ほら、そんなことよりも水羊羹をいただきましょう。えっと、楊枝はどこでしたっけ。あ、ありました。あとはお茶を淹れれば。うん、完璧です。あっ…はは、また笑いましたね。ですが、私を笑っていられるのも今のうちですよ。さあ、そこに腰掛けて。どうぞ、召し上がれ。いかがですか?はは、そうでしょう?私が売り切れをああも残念がった理由、分かってくださいましたか?そうですか。ならば、男としての汚名返上を果たせたというものです。さて、私もいただくことにしましょう。んー、やはり美味しいですね。この仄かな甘みが堪りません。朝から並んだ甲斐がありました。夜館に戻るまでに傷んでしまわないか心配でしたが。は、この雪国ではそんなの杞憂でしたね。ああ、買った後は懇意にしている女(xing)に会いに行っていたんですよ。あ、いえ、懇意と言っても恋仲というわけではありません。熱心に私の話を聞いてくださる方という意味です。その女(xing)は最近キリシタンになったのですよ。教会を出て、その日話をする方の家で稀に教えを説くことがあるんです。そのほうが邪魔が入らず、より濃密な時間を過ごすことができますから。ん?おや、窓が少し開いていましたね。ん?どうかしましたか?背中?どこでしょう。ああ、本当ですね。赤い染みが付いている。気付きませんでした。早いうちに洗い落とさないと。これですか?先ほどまで会っていた女(xing)の血ですよ。帰り際どうしても何か礼がしたいと言われたので、少しだけ血をいただきました。いいえ、基本的には隠していますよ。私が夜叉だとあまり公に知られるわけにはいきませんからね。ですが、ほんの数人には話しているんです。もちろんめったに自分から素(xing)を明かすことはありません。ただ、一度私が吸血すれば、相手は私の牙の虜となりますから、誰かに話せば、私からの吸血を二度と受けられなくなる、そう思えば、絶対に他言をしないようなのです。きっと貴女もそうなるのでしょうね。ええ、先日吸血した時の貴女の表情、覚えていますよ。それはもう恍惚としたものでした。手を出してください。そう、こちらに。私もこの肌に牙を突き立てた日のことを思い出すと、自然と鼓動が高鳴ってくるんです。手が震えていますね。寒いのですか?はは。ええ、違うでしょうね。だって、震える指先とは裏腹に、貴女の頬はどんどん赤く染まっていくんですから。ね、貴女は今何を考えていたのですか?思い出していたのでしょう?初めて私に吸血された時のことを。貴女ももっと私に吸血されたいのですね。はは、どうして嘘をつくんですか?いいではありませんか。また快楽を得たいと思うことの何が恥ずかしいのです?貴女が望むのならば、今すぐにでも構いませんよ。私も貴女の血を知ってしまってからというもの、ほかの人間の血では物足りなく感じてしまうのです。まだ一度しかいただいていないというのに。さあ、こちらへ。緊張していますか?体を強張らせてはいけませんよ。力を抜いてこそ、存分に愉悦を感じられるというものです。隠さないで。この先貴女は何度も私の前でその体を開くことになるのです。ならば、もう最初から恥じらうことを諦めてしまうのも一つの手だとは思いませんか?貴女の肌は白く、清潔感があるんですね。ほんのりと熱いのは貴女が私からの吸血を待ち侘びているからなのでしょうか。大丈夫です。最初の時と同じく、痛みは感じませんから。すごいですね。以前のような恐怖心がないからか、その甘さが舌先に直接伝わってくるようです。体の奥が痺れるほど疼きます。これが卑弥呼の末裔の血。はは、貴女もやはり私の吸血がお好きなのですか?ええ、私も貴女の血が好きですよ。私たちはとてもいい関係のようですね。ここから吸う血は余計に濃く感じます。心臓に近いからでしょうか。一欠片の淀みもない本当に澄んだ血です。はあ、美味しい。まるで貴女が私のために生まれてきたのかと思ってしまうほどです。はあ、可愛いですね。可愛い。貴女の血を吸っていると、自然と愛おしさが募ります。その赤く熟れた唇にも噛み付きたくなる。おや、もう目が虚ろになっていますね。意識が飛んでしまいそうなのですか?落ちることを怖がらなくてもいいのですよ。この程度の吸血ならば、ただ深い眠りにつくだけです。吸血されることに慣れてくれば、だんだんその眠気も感じなくなってくるでしょう。快楽を手放すのは惜しいかもしれませんが、今夜はそのまま眠りなさい。貴女は私の生気を満たしてくれる。貴女といれば、私はほんの少しだけ楽に生きられるのかもしれません
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[j]XYO15 RQB5G3[/j]、月に叢雲
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[j]XYO15 RQB5G2[/j]あっ…ああ、貴女でしたか。何かご用ですか?そうですか。ならば、私はもう部屋に戻りますので。では。っ…いいえ、すみません。乱暴な言い方になってしまいましたね。ですが、気にしないでください。少し苛立っているだけなので。っ、煙の匂いですか?自分では気付きませんでした。女(xing)は鼻が利くというのは本当なのかもしれませんね。ええ、今知っているキリシタンの家が放火されたというので、駆け付けてきたんですよ。以前も言った通り、このところ教会の焼き討ち事件が多発していますが、その裏で直接キリシタンの家を襲う事例も増えてきているんです。今回も犯人は見つかりませんでした。気付くのが早かったので、庭の一部に引火しただけで大きな被害はなかったものの、悔しいことに変わりはありません。そのせいで苛立っていたのです。妙な態度を取ってしまって、申し訳ありませんでした。そう言っていただけると助かります。ですが、今回ばかりはその家に火が回らなかったことを少々残念に思ってしまう自分がいるんです。その家には不治の病を患い、日々苦しみに呻くばかりのキリシタンが住んでいるんです。苦しいばかりで、死ぬことすらできない。そんな彼を楽にして差し上げるいい機会だったかもしれないのに。毎日毎日食事も碌に摂れず、布団の中で時間が過ぎていくのをただ待つだけ、生きることすら本当はもう辛いのでしょう。自ら命を捨ててもおかしくないほどの症状ではありますが、教えでは自害を禁止しています。教えに背くことになる以上、彼はいずれ訪れる死をただ待つことしかできないのです。はは~どうして主は彼を延命させたのでしょうね。あのまま生きていたところで、一体何の得があるというのです。彼の幸せはきっとそこにはないというのに。っ…すみません、おかしなことを言いました。今夜は綺麗な満月です。私はどうもあの月を見ると、気が高ぶってしまうのです。夜叉は皆そうらしいのですが、恐らく私は特別に。そのせいで、少しおかしくなってしまっているのかもしれません。どうか今の話は忘れてください。何だか疲れてしまいました。私は部屋に戻って休むことにします。貴女も風邪を引かないように、温かくして眠るのがいいでしょう。では、また
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[j]XYO15 RQB5FA[/j]、三種の神器
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[j]XYO15 RQB5FN[/j]?はあ、貴女でしたか。どうしたんですか?こんな時間に。はは、その様子だと、夕食を終えたところですね。口の端に醤油のようなものが付いていますから。燭台の火に照らされているので、すぐに分かりましたよ。はい、ちゃんと取れましたよ。顔を赤くして、貴女は可愛らしい方ですね。え?そうですね。確かに館は広いですが、こうして火を点けて回るのは最低限の場所だけですから、そう大変な作業ではありませんよ。ただ、夜はどうにも火打石の音が響くので、ほかの夜叉の迷惑にならないかと少し心配になりますね。手慣れているとは言え、火打石はなかなか苦労が絶えません。もっと簡単に火を起こす方法があればいいのですが。っ、何ですか?貴女の部屋に?ええ、別に構いませんが。ふん、分かりました。それならば、まずは貴女の部屋へ行ってみることにしましょうか。それで、何なのですか?渡したいものというのは。それは…箱ですね。中に何か入っているんですか?マッチ…聞いたことがありませんね。どういうものですか?はあっ、すごいですね。一瞬にして火が点いたではありませんか。それも、ほんの小さな音だけで。これはどこで手に入れたのですか?街で見たことはないように思うのですが。なるほど、北海道に来る前から持っていたのですね。貴重なものだからと、袂に入れていたのですか。このところしばらく北海道から出ていなかったので、こんなにも文明が進んでいることに気付けませんでした。これほど素晴らしい道具が世に出ているだなんて。えっ、本当にいただいていいのですか?ありがとうございます。本当に嬉しいです。えっと、この中にある木の軸を箱の側面で擦って。はあ、なんと素晴らしいのでしょうね。こんなにも簡単に火が起こせるとは。燭台に火を灯すのもあっという間ですね。まるで手品師にでもなったような気分です。これは素晴らしいな。ん?貴女の首元に噛み跡が付いていますよ。何だか愛らしいですね。こんなにも赤く腫れて。ええ、牙の跡の周りがぷっくりと盛り上がっています。まるで果実のようにも見えるほどですよ。と言っても、この館には鏡がないので、貴女からは見えないかもしれませんが。貴女は日本古来から伝わる三種の神器をご存知ですか?八尺瓊勾玉、草那芸之大刀、そして八咫鏡の三つです。実はこれら三つの道具は遥か昔まだ夜叉が世に多く存在した時代に人間が夜叉を討伐するために作られたものなんです。これによって、夜叉の大半が殺されてしまいました。勾玉は夜叉除けのお守りとして、大刀は夜叉の回復力をもってしても抗えないほどの殺傷力を与える   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   として、そして鏡はそこに映る夜叉を炙り出すために使用されました。勾玉と大刀は触れなければ何の効果もありませんが、鏡は覗き込むだけで苦痛を感じますからね。今でこそ鏡の形態も変わり、苦痛を感じづらくなったものの、今を生きる夜叉も本能的にそれを嫌っているんです。私もあまり好みません。夜叉が討伐対象となるのは至極当然のことでしょう。人間にとって嫌悪すべき存在であることは明白なのですから。どうして貴女がそんなに悲しそうな顔をするんですか?人間の貴女が傷つく必要などどこにもないでしょう?ありがとうございます。貴女にとってだけでも、私が夜叉という悪魔に見えないというのなら、こんなに嬉しいことはありません。けれど、ひょっとしたら貴女は私の伴天連という肩書きに騙されているだけかもしれませんよ。だって、伴天連を名乗る者が必ずしも清廉潔白とは限らないでしょう。さあ、どういうことでしょうね。さて、そろそろ私は眠ることにしましょう。マッチでしたっけ。本当にありがとうございました。大切に使わせていただきますね。そうだ、明日貴女用の鏡を買いに行きませんか?久々に二人で街へ下りましょう。もっと貴女との仲を深めたいのです。貴女にももっと私のことを知ってもらい、その信用を得たい。いかがですか?よかった。では、楽しみにしていますね。お休みなさい
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[j]XYO15 RQB5GI[/j]、不老不死[j]XYO15 RQB5F0[/j]

[j]XYO15 RQB5FO[/j]こうしてちゃんと小物屋を見て回るのは何だか久々ですね。このところ日本は目紛しく変わっていく。250年生きてきて、これほど時代が激動しているのは初めてですよ。ああ、そうでした。まだ貴女に   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   心なことを話していませんでしたね。いい機会なので、話してしまいましょう。私の正式な名前は天草四郎時貞と申します。もしかしたら、貴女もどこかで聞いたことがあるかもしれませんね。徳川家光公が将軍を務めていた頃のことです。16歳の頃、あるきっかけで不老不死の肉体を持つこととなりました。それからはずっとこの姿で230年あまりの年月を生きてきたのですよ。予想通りの反応です。こんな突飛な話、すぐに信じろというほうが無理だということは重々承知していますよ。なので、今はまだ疑ったままで構いません。ですが、これは紛れもない事実なのです。だって、こんな意味のない嘘をつく必要などどこにもないでしょう?まあ、とにかくこれだけ生きていると、時代の変化にだんだんついていけなくなるんですよ。店を覗く度に新しい文化が取り入れられているのを見ると、嬉しいようなどこか寂しいような複雑な気持ちになりますね。とは言え、世の中が便利になっていくのはありがたいことです。鏡以外にも何かほしいと思うものがあれば、遠慮なく言ってください。お金は余分に持ってきたつもりですか…あ、餡パン。ああ、あれはいつも霧乃助が食べているものですね。実は私も食べてみたかったのですよ。そうか、あの店に売っていたんですね。まだ売り切れていないといいのですが。あっ…っと。はあ、転んでしまうところでしたね。はは、助けてくださってありがとうございまし…っ…え、ええ、そうですね。確かに危なかったかもしれませんが、そんなに怒らなくてもいいではありませんか?はい、次からは気を付けます。ご心配をおかけして、すみませんでした。はは、また叱られてしまいましたね。野菜を選んだ時以来です。本当に貴女といると、新鮮な気持ちになれます。実を言えば、私は自分が不死の身だからと、自らの命を軽く見る癖があるのです。そのせいで、普通よりも注意力が散漫になってしまう。注意してくださって、ありがとうございました。ん?どうしてそんな顔をするんですか?先ほどの私は叱られて当然のことをしたのですから、貴女が悄気る必要などどこにもないでしょう?まだそんな顔をして。そうだ。私と手を繫いでいてはくれませんか?そうすれば、もう何があろうと、下手な行動に出ることはありません。それに、こうしていたほうが私が万が一の時に貴女をお守りしやすい。さあ、手を取って。では、行きましょうか。貴女の手は温かいですね。叱られておいて言うのもなんですが、こうして手を繋げるきっかけになったのですから、自分がへまをしたことすら我ながらあっぱれと思ってしまいます。なんて、こんなことを言っていたら、また貴女に叱られてしまいそうですね。はは。ほら、あのお店が鏡を売っていそうですよ。ん?鏡と書かれていますが、そのようには見えませんね。あ、なるほど。鏡に蓋が付いているんですね。中に小さな櫛も入っているそうですよ。この鮮やかな桃色が貴女にも似合いそうです。いかがですか?っ…どうですか?ああ、いえいえ、こちらに見せなくて結構です。貴女が気に入ったのなら、それでいいのですから。お気に召したようですね。では、それをいただくことにしましょう。さあ、早く蓋を閉めて。あちらでお勘定を済ませてきますので、少しここで待っていてくださいね。買ってきましたよ。どうぞ、受け取ってください。いいんですよ、このくらいの礼はさせてください。貴女がそばにいてくれるだけで、私の心は羽のように軽くなるのですから。もう貴女なしの生活など考えられません。さあ、もう一度手を繋いで。こうしていると、温かいですしね。ああ、そうそう、最近また放火事件が発生したそうです。隣町の教会なんですが、今回は未遂ではなく、全焼してしまったんだとか。向こうに延びる道の先に教会があるとお話ししましたね。恐らくあの教会も狙われているんでしょう。今一度言いますが、くれぐれも近付かないようにしてください。この約束は必ず守ってくださいね。冷えてきましたね。恐らく今夜はまた雪となるでしょう。貴女が風邪を引いてしまわないよう、早く館に戻りましょうか。あのう、今夜また私の部屋に来ていただけますか?何だか、こうして手を繋いでいたら、貴女のことが愛おしくなってきてしまいました。ありがとうございます。では、心待ちにしていますね
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[j]XYO15 RQB5F7[/j]、狂おしい満月
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どうぞ。お待ちしていましたよ。ん?今夜の貴女はいつにもまして可憐に見えます。どうしてなんでしょうか。ああ、なるほどね。ならば、なおさら鏡を買って差し上げた甲斐があったというものです。それに、私に会う前に鏡を覗き込み、見た目を整えてきてくれる、そんな気持ちが何よりも愛らしいではありませんか。こちらへおいでなさい。貴女の体はだいぶ私の吸血に慣れてきたようです。そろそろ貴女が一番心地良く感じる場所を探してみるのもいいかもしれませんね。以前まではすぐに朦朧としてしまっていましたが、今ならばきっとしっかりと吸血される喜びを感じることができるでしょう。いつ見ても、滑らかな肌ですね。こうして触れているだけで、とくとくと脈打つ貴女の鼓動が聞こえてくるようです。よろしいですか?では。はあ、貴女の血は吸う度に甘く、芳醇になっていく。血にはその方の心情が色濃く反映されるんです。つまりこれは貴女が日々私に愛着を抱き、想いを寄せ始めてくれているということ。ふふ、嬉しいんですよ。なにせ私はとうに貴女をお慕いしているんですから。貴女といると、私の心に空いた   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   が塞がっていくような気になるんです。人間と夜叉、確かにそこには種族の違いがありますが、なにも添い遂げることを禁止されているわけではありません。多少倫理から外れてしまっても、そんなのはどうだっていいでしょう。貴女さえ頷いてくれるのならば、私は貴女が短い生涯を終えるまでそばにいたいと願ってしまう。さあ、手を出してください。私がこうして手の甲から吸血をするのは貴女ただ一人です。これが私なりの敬愛の証ですよ。以前にも言いましたが、こうして血をいただく度、貴女という人は私に出会うため、私を救うために生まれてきてくださったのではないかとそう思わずにはいられないのです。え?はあ、そうですね。それも主が与えた運命なのかもしれません。どうしたのですか?急に貴女から主の話をするだなんて。そうですか。ですが、いくら私が伴天連だからと言って、貴女まで影響される必要はないのですよ。貴女は貴女らしくいてくれれば、それでいい。それに、今入信するのはとてもお勧めできません。結局のところ、弾圧は依然続いていますし、今は教会にだって気軽に通えないのですから。ええ、私は大丈夫です。たとえ危険に晒されたとしても、きっと死ぬことはありませんよ。え?っ…馬鹿なことを言うのは止めなさい。確かに万が一ということはあるかもしれませんが、私は貴女の血を吸い尽くしてまで生きたいだなんて思いません。だからそんな…私を…生かすため。止めなさい、それ以上言うのは。止めなさいと言っているでしょう!皆、私のために犠牲となったのですね。私を生かすために…どうして仲間は全員死に、私は一人生きているんでしょうか。あんなに祈りを捧げたのに。主よ、なぜお守りくださらなかったのですか?なぜ…嘘つき。触るな!私のためなら、自分が犠牲になってもいいな。ふざけたことを言うのは止めなさい!なぜですか?なぜ誰かを犠牲にしてまでも生きなければならないのですか!こんな私のような悪魔に身を捧げるなど…ああ、そうか。今日は満月だった。あの日と同じ、満月の夜。そうだ。皆を助けないと。誰もいませんね。ああ…来てしまったのですね。はあ、とうとう見られてしまいましたか。見れば分かるでしょう。教会に火を放ったんですよ。貴女のおかげです。以前は火打石の音が響いて、すぐに誰かに気付かれてしまったのですが、貴女にいただいたマッチのおかげで最近はこうして静かに火を点すことができるのですから。見てください。炎というのは夜の闇に美しく映えますね。これでまたキリシタンが集う場所が一つなくなるというわけです。それにしても、ここまで私を追ってくるだなんて、いけない人ですね。約束したでしょう?この教会がある通りには近付かないと。おかげで、私の本当の姿を知られてしまったではありませんか[j]XYO15 RQB5F7[/j]

[j]XYO15 RQB5FO[/j]、全ての始まり
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[j]XYO15 RQB5EY[/j]気が付きましたか?ああ、手拭いが落ちてしまいましたよ。額が腫れていますから、ちゃんと冷やしてください。先ほど貴女が気を失った時、地面に頭を打ってしまったんです。嘘をついていただなんて、随分と聞こえが悪いですね。確かに貴女を騙していたことにはなるのかもしれませんが、仕方のないことでしょう。貴女の血を甘く保つため、本当は黙っておきたかったのですが、見られてしまったのですから、仕方がありません。これからしばらくは共に生きていくことになるのです。隠し事は無しにしましょうか。しかし、どこからお話すれば良いのか。端的に言いましょう。私は伴天連を名乗っていますが、実際はこの日本からキリスト教を排除するため日々活動をしているんです。多発していた放火事件もすべて私が実行したことですよ。それは貴女も目の当たりにしたでしょう?そうですね。およそ230年ほど前からでしょうか。はは、冗談だと思って、忘れていたのですか?前に言ったでしょう。私は不老不死の体を持っているのだと。あれは寛永14年10月のことです。島原にてキリシタンによる大規模な一揆が行われました。島原の乱と言えば、貴女にも耳馴染みがあるかもしれませんね。その頃、私は僅か16歳の少年でした。今と違い、それはそれは熱心なキリシタンだったことを覚えていますよ。自分で言うのは憚られますが、私は幼い頃から神童として崇められていましたので、キリスト信者たちが私を一揆軍の総大将とするのは至極当然なことだったのかもしれません。と言っても、戦の指揮などはまったく取ったことのない私ですから、実際に一揆軍を動かしていたのは別の方々でした。それでも、私は総大将としてできる限りのことをするつもりでしたよ。なにせ私は自分の中でこの戦に二つの願いをかけていましたから。一つはこの戦に勝利し、世にキリスト教を認めさせること。そしてもう一つは今後は夜叉ではなく、人間として生きていくのだという自分への誓いです。キリスト教では夜叉は悪魔とされています。当時ちょうど吸血衝動を覚えたばかりの私はとにかくこの体が憎くて憎くてたまらなかったのです。どうして私は人間ではないのだろう。主はどうして、私を悪魔として世に生み落としたのだろうと日々頭を抱えていました。それでも、主が私を見ていてくださるのならば、必ずいつか人間になれるのだと信じていました。けれど、あの日私はすべてを悟ったのです。4ヶ月あまりも続いたその戦は私たち一揆軍が劣勢となっていた。すでに何万もの仲間が戦死している。それでも、私は勝利への望みを捨てることはなかった。おそらく明日が戦の最終日となるであろう、そう思い、刀に付着した血を拭っていると、目の前に数人の仲間がやってきた。そして、ただ一言「四郎様をこれ以上戦わせるわけにはいきません。」と、そう言った。突然何を言っているんですか?嫌です。私も行かせてください。どうして総大将である私が戦に参加できないのですか?ここで一人ただじっとしているだなんて…くっ…戦に出せと言い募る私を彼らは許してはくれなかった。霞む意識の中、震える声で「お許しください。」と零すのが聞こえてきたのを覚えている。彼らは以前から、「神童である四郎様を戦に出すなど、できるはずがありません。四郎様は戦う必要などない。ただ私たちの勝利を祈っていてください。そうすれば、必ず勝機は訪れます。」と、そう言っていた。神童である私が死ぬことは彼らにとっての絶望なのだ。だからこそ、私は眠らされたまま簡素な教会の奥へと閉じ込められた。いや、匿われたという表現のほうが適切なのだろう。目が覚めた頃には戦はすでに終わっていた。教会から出れば、月明かりが私を照らし出す。私は見窄らしい村人の服装に着替えさせられていた。辺りのどこを見渡しても、   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   など何も持たされていない。そこで、私はすべてを悟った。ああ、誰かが私の身代わりになったのだと。私はずっとずっと主を信じ、勝利だけを願っていた。けれど、結果は無惨なものだった。これは…夢なのでしょうか。ゼンロクさん、どうして眠っているんですか?ショウゾウさん、目を覚ましてください。さあ。何も言わないのですね。嘘だ。嘘だ。こんなの…嘘に決まってる。地面には真っ赤に染まった仲間たちの骸が転がっていた。呼吸に膨らむ背中など、どこを見渡しても見つからない。どうして仲間たちは一人残らず死んでしまった。けたたましくなる耳鳴りにただ身を委ねることしかできなかった。遠くに私が昨日まで纏っていた服を着る骸が見える。周囲にぽつぽつといる幕府軍は私が総大将の天草四郎だと誰も気付かなかった。心臓がきりきりと痛み、私は天を仰いだ。皆、私のために犠牲となったのですね。私を…生かすために。どうして仲間は全員死に、私は一人生きているんでしょうか。あんなに祈りを捧げたのに。主よ、なぜお守りくださらなかったのですか?なぜ…嘘つき。はは、ははは~笑えますね。全員不幸になった。信じた者は全員…あああああぁぁぁ!皆、死んだ。信者となった者は全員不幸の底へ沈んでしまった。教えを説く私の顔を熱心に見詰めていた彼らの姿を思い出す。ああ、あれもこれもすべてが茶番だったんだ。血を…血を吸ってあげなきゃ。けほっ、こほっ…こほっ。私を生かすために犠牲になった皆を私の中で皆を生かさなきゃ。その時の私にできることと言えば、骸となった仲間の血を啜り、私の体の一部とすることだけでした。そうすれば、彼らは私の中で生き続けることができますからね。それは生き残ってしまった私の彼らに対する唯一の償いでもありました。今でも何千何万人もの方々の血は私の体の中で生きていますよ。あの日浮かんでいた真っ白な満月はまだこの目に焼き付いています。あの日以来、無邪気に神を崇拝している方々を見ると、鼻で笑ってしまうのですよ。一体どうしてそんな不確かなものを信じ、わざわざ不幸への道を辿ろうとするのかと。けれど、じきに不憫に思えてくるのです。私にも神に裏切られた経験がありますから、彼らがいつか不幸になっていくのをじっと見ているなど心が痛むでしょう。人々に信仰を捨てさせるのは難しい。なので、せめて周りを巻き込んでしまわないうちに、殺して差し上げるんですよ。ああ、以前話した女(xing)のことですか?ええ、確かに彼女には布教をしていましたね。ですが、あれは単なる見せしめに過ぎません。弱っている女(xing)などに声をかけ、所謂神の教えを説く。すると、相手はいとも簡単に入信するんですよ。そして、その女(xing)がキリシタンであることが周囲の人間に伝わった辺りで、殺してしまえばいい。そうすれば、人々はキリスト教への不信感を持ち、新たな信者は増えなくなるという算段です。何事にも多少の犠牲は必要だということですよ。顔が青ざめていますね。やはり今の話は少々衝撃的でしたか?ならば、もう一度ゆっくり眠って、頭の中を整理するといいでしょう。きっと貴女ならば、私の行動を理解してくださるはずです。その血の甘さを取り戻すためにもなるべく早くそうしてくださると助かります。額の腫れ、早く引くといいですね。では、お休みなさい[j]XYO15 RQB5FF[/j]

[j]XYO15 RQB5FR[/j]、生きる意味[j]XYO15 RQB5GE[/j]

[j]XYO15 RQB5FM[/j]また、随分と積もりましたね。やはり雪というのはあまり好きになれな…おっ…あ…痛っ…あ、貴女、どうかしたのですか?ああ、は、聞こえていましたか。玄関前の雪掻きをしていたんですが、足を取られて滑ってしまったんですよ。そのまま木にぶつかったら、積もっていた雪が落ちてきたんです。それで、あんな情けない声を出してしまいました。貴女に聞かれていただなんて、これは恥ずかしいですね。ええ、大丈夫ですよ。少し痛かったですが、柔らかい雪なので、どうということはありません。ご心配をお掛けしました。さて、もう一踏ん張りですね。ここの雪を放っておくと、あっという間に外に出られないほど積もってしまうんですよ。以前それで玄関のドアが開かなくなってしまったことがありました。その時は霧乃助が二階の窓から降りて、掌の炎で雪を溶かしてくれたんですよ。ああ、知っていますか?霧乃助は夜叉で唯一左手から炎を生み出せるんですよ。何でも一家相伝の術なんですって。その時はこれで大丈夫と思ったのですが、溶けた雪はそのまま氷になってしまって、外に出ようとする度つるつると足が滑って大変でしたね。館を出入りした夜叉は必ずと言っていいほど、体に軽い痣を付けて戻ってきたものです。もう二度とそんなことはごめんですからね。と言っても、この館に住まう夜叉は面倒がってやりませんから、私が仕方なく請け負っているというわけです。腰に来ます。えっ、いえ、いいんですよ。ここは私一人でやりますから。寒いでしょうから、もう館の中に戻ってください。そうですか?では、少しだけ手伝っていただきましょうか。そこに雪押しがありますから、なるべく軽いものを選んでやるといいでしょう。それにしても、貴女から声を掛けてくださるとは意外でした。てっきり私を避けようとすると思っていたんですが。そうですか。ええ、貴女が納得いくまで何度もお話しいたしましょう。本当はあまり思い出したくない過去ではあるんですが、貴女の信用を得られるのならば。あ、そうだ。ちなみに、その辺りが先ほど私が足を取られた場所なので…っ、あ…大丈夫ですか?痛くはありませんでしたか?髪が雪で真っ白になっていますよ。ほら、目を閉じて。払って差し上げますから。はは、頬が真っ赤だ。恥ずかしいんですか?まるで林檎のようですね。触れていると、それだけで暖を取れそうです。貴女も同じことをしてくれたのであれば、先ほどの私の恥ずかしさも薄れるというものですね。はは。っ、どうかしたのですか?ほら、また騙されている。貴女に悪い方と思えないと言っていただけるのはありがたいことです。けれど、こうして目の前で微笑んでいるからと言って、私が良い方であるとは限りません。現に私は過去何人もの人間を死に追いやっている。正直なところ、自分が所謂良い方でないことは分かっているんです。それでも、貴女には好かれていたい。は、こんなことを言うのはきっとわがままですね。え?そんなことを言われたのは初めてですよ。この目が綺麗だと思う人間なんて、きっと貴女くらいなものでしょう。ええ、そうですよ。これは不老不死の肉体を持つ夜叉であることの証です。前にした話、覚えていてくださったんですね。夜叉というのは、基本的に病を患うことはありません。つまり、人間のように風邪を引いたり、流行病に侵されたりということはないのです。けれど、唯一罹る病があります。それは人の血を吸い過ぎたことによる中毒症状のようなものなんですが。前にお話しした通り、私は島原の乱の直後、多くの人間の血を吸いました。当然、私もその症状に襲われましたよ。吐き気や頭痛がして、かなりの苦痛に苛まれます。まあ、私の場合は病を病と認識する暇もありませんでしたが。この病というのは、言わば不老不死となるための通過儀礼です。そこから更に大量の人間の血を吸えば、今の私のように永遠の命を持つことができます。病すらも越え、本物の悪魔となった証、それがこの   ***下载/download/otomedream/ダウンロード***   く変色した左目なんですよ。遥か昔、それこそ貴女の先祖である卑弥呼が存在した時代には、私のように両目の色が違う不老不死の夜叉が溢れていたそうです。しかし、そのほとんどが夜叉狩りによって殺されています。現在は夜叉狩りから逃れるため、人里離れて暮らす夜叉が多い。彼らは主に動物の血を吸って生きていますから、人の血を吸い過ぎるということはまずないでしょう。そうしていくうちに、やがて夜叉が不老不死になれるという事実は忘れ去られていき、今ではその病の存在すら知られていません。文献も残っていないのですから。恐らく当時の人間が気色が悪いからと、すべて燃やしてしまったのでしょうね。なので、この歴史を知る者は、長年生きてきた私しかいないのですよ。作り話だと思いたいのなら、それでも構いません。けれど、この先貴女は事実だと認めざるを得なくなるでしょう。だって、貴女は歳を重ねるごとに老いていくのに、私は今のままの姿を永遠に留めるのですから。私はこの230年ほど何も変わっていません。そしてこれから先も、永遠に変わることなどないでしょう。そうそう、今の話ですが、館の皆には秘密ですよ。もう、あらかた片付きましたね。こう長いこと雪掻きをしていると、たとえ雪山でも、体が火照ります。少し涼みに行きましょうかね。さあ、貴女はもう館の中へお戻りなさい。私はこのまま出掛けることにします。ん?はあ、ひょっとして、また私がどこかへ放火をしに行くのではと思っているんですか?違いますよ。本当に涼みに行くだけです。街とは反対側に山を下っていくと、海が見える場所があるんです。そこまで星を眺めに行こうと思っているんですよ。ちょうどもうじき日が暮れます。今日はとても天気が良かったので、夜になれば美しい星空が眺められるでしょう。もし不安ならば、貴女も一緒に行きますか?よければ、ご案内しますよ。では、行きましょうか。足元にお気を付けて。こちらです
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、溶けゆく心
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[j]XYO15 RQB5G2[/j]もう空が黒く染まってきましたね。冬というのは、本当に日が落ちるのが早いものです。ここですよ。ね、目の前に崖があるので、木もなく空一面に星が広がっているのが見えるでしょう?下が海なので、やはり少々寒いですが。綺麗ですよね。雪があるので、冬は座り込めないのが難点です。ええ、昔から星を眺めるのが好きなんです。眺め過ぎて、飽きてしまったほどですが。えっ?はは、そういった質問をしてくださるということは、つまり私の話を信じてくれたと思っていいのでしょうね。そうですね。あなた方人間には、確かに永遠に死ねないという感覚など分からないでしょう。気になるのも無理はありません。永久に生きるというのは、これ以上ないほどに恐ろしいことです。寿命のある者はそこに向かって、日々暮らしていけばそれでいい。けれど、私はただ惰(xing)で生きているだけ。だから、どうしても思ってしまうんです。なぜこんなにも生きなければならないのかと。いえ、当然方法がないわけではありません。首を刎ねれば、恐らく死ねるでしょう。でも、それはできません。だって…えっ。月明かりがぼーっと貴女の表情を映し出す。それは私の想像していたものとは大きく異なっていた。同情に歪んだものなんかではない。ただ、安堵に包まれたような、そんな表情。理解が追いつかず、私は眉を顰める。やがて、貴女は優しく微笑み、言葉を零した。はい?意味が分かりません。どうしてそう思うんですか?言ってみてくださいよ、ね。まさか私が自害に踏み切れないのは神の教えに背くからだとでもおっしゃりたいのですか?心のどこかで信仰を捨て切れていないからだと。は、はは…知ったような口を利かないでください。黙って聞いていれば、貴女に私の何が分かると言うのですか?私がどれほどの思いでこれまでを生きてきたか。私が自害に踏み切れなかったのは、かつて死んでいった仲間たちへの償いでしかありません。私は彼らを自分の中で生かすと決めたんだ。私が死ねば、彼らをまた殺すことになる。もしも主が私を見てくださっていたのなら、なぜ私をこんな目に遭わせたのですか。人間にもなれず、仲間は全員死に、私は不老不死となった。まるでお前のような悪魔は永遠に苦しめとでも言わんばかりに。私のこの体が主を崇める者は全員不幸になるという何よりの証拠ではありませんか。どうして私の傷をわざわざ抉るようなことを…どこへ行くのですか?美しく煌めく星空の下、貴女はふらふらとした足取りで歩いていく。名前を呼べば、今にも涙が零れそうな目で私を振り返り、ぽつりと呟いた。「四郎さんがその体になったのにも、夜叉として生まれたのにもきっと意味があるはずです。」と。意味、そんな無駄なことを考えて、一体何になる。意味があるのならば、教えてほしいものだと私は心の中で自嘲した。一歩一歩崖の方へと近付きながら、貴女は続ける。「四郎さんは以前、私が四郎さんを救うために生まれてきたようだとおっしゃいました。今では、私も同じように感じているんです。神様が定めた運命などと言うつもりはありません。けれど、この感情が間違いだとはとても思えないのです。」そう言って、貴女は崖の縁で立ち止まった。何をしているんですか?そんなところで足を滑らせたら、どうするつもりです。早くこちらへ戻ってきなさい。どうして?白く滑らかな肌は手の届かない場所にある。呆然としていると、貴女は大きな声で言った。「これから先、四郎さんが未来を生きていく中で、私が必要な存在なのだとしたら、たとえば今ここから私が飛び降りたとしても、絶対に死ぬことはありません。これからの人生を共にする運命ならば、私は生きて四郎さんのもとに戻るはずです。」貴女はまた一歩崖へと歩みを進めた。その足ががたがたと震えているのが分かる。そして、最後に私の方をちらりと振り返ると、その頬にぎこちない笑みを湛えて呟いた。「私に、四郎さんの生きる意味を探させてください。」止めなさい
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[j]XYO15 RQB5FL[/j]十一、永久に想う[j]XYO15 RQB5GB[/j]

[j]XYO15 RQB5GG[/j]貴女…貴女は、怪我はありませんでしたか?そうですか。軽いもので済んでよかった。貴女はまだ生きているんですね。よかった。貴女が無事で。やっと気付きました。こうして私が死ななかったのは、私が不老不死である夜叉であるからこそ。ああ、なるほど。そうでしたか。これが主が私を夜叉としてこの世に生み落とした理由。島原で多くの仲間が犠牲になったのも、すべては私にこうして不死の体を持たせるためだったのでしょうか。自らの危険を顧みず、誰かを助けられるようにって。なんと愚かなんでしょうね。私はきっと一生自分を許すことができないでしょう。島原で亡くなった彼らは、今まで何を思い、私と共に生きてきたのか。えっ?ええ、そうですね。私の中にいる彼らは誰よりも近くて、私の苦悩を見ていてくれたのかもしれません。貴女の言うように彼らが私を許してくださるのならば、私もほんの少しだけ救われます。こうして間違いに気付けたのも、すべて貴女のおかげです。貴女がいてくれて、本当によかった。もう二度と貴女にあんなことをさせたくない。貴女の口の中、血の味がします。痛くはありませんか?こうすれば、少しは痛みも紛れるかもしれません。舌を出してください。変ですね。今までよりも、ずっと美味しく感じます。もっとほしくなる。こうしていると、貴女の血が体に染み渡っていくんです。これならば、怪我なんてすぐに治ってしまうでしょうね。ん?ああ、袂に鏡を入れていたのですね。割れてしまったでしょうか?やはり駄目でしたね。やはり鏡は得意ではありません。けれど、不思議ですね。今では、この苦痛が逆に心地良くも思えるんです。これも私が夜叉であるということを、心から受け入れることができたからかもしれませんね。それをまさか、人間である貴女に教えられるだなんて。貴女に出会った瞬間に、これから何かが変わるという予感を覚えたのは間違いではなかったようです。本音を言えば、貴女に放火しているのを見られた時、内心ほっとしていたんです。ああ、やっと私の行動を間違いだと言ってくださる方が現れたのかもしれないと。私はずっと長い間、私の罪を罪だと叱ってくれる方がほしかったのでしょうね。貴女は身を挺して、私に過ちを気付かせてくれた。何と言って感謝を伝えたらいいのか、言葉が見つかりません。耳から吸われるのが、お好きなんですか?ご自分で気付いていないのでしょうが、微かに呼吸が乱れていますよ。貴女がお好きだと言うのなら、いくらでもして差し上げます。ん?こちらの耳からもいい香りがしてきます。ん?耳元で話されると、心地が良いのですか?私の声だけで、そんな表情をするだなんて。ふふ、私も本当はこうして貴女を抱き締めているだけで十分なのかもしれません。けれど、貴女の肌が目の前にあれば、衝動的に噛み付いてしまいたくなる。貴女といると、自らの欲求に歯止めが利かなくなるのです。こんな私は、お嫌ですか?よかったです。ならば、もっと吸わせてください、貴女の血を。脇腹の辺りはどんな味がするんでしょうか。やはり濃厚で甘いのですね。では、この辺りは…ここもいいのですね。快楽に浸っている味はすぐに分かりますよ。さあ、次は脹ら脛から。ふふ、ここも美味しいですね。ですが、どうやら貴女は上半身からの吸血のほうがお好きなようです。やはり人間の女(xing)というのは、顔と顔がそばにあると安心するらしい。私も貴女の目が潤んでいるのがよく見えるので、唇や肩口に噛み付くほうが好きかもしれません。いいえ、正直なところ、もう味なんてものは二の次なのです。貴女と共に、この甘美な時間を過ごせる。それだけで、私は満足ですよ。ああ、どうして貴女には寿命があるのでしょうか。いつかまた貴女のいない世界を生きなければならないと思うと、恐怖で体が竦みます。お願いです。その命が尽きるまででも構いません。どうかこの先も、私のそばにいてくださいませんか?貴女さえいてくれたなら、私はきっと踏み外した道からもう一度正しい場所へ戻ることができる。もう一度主を信じ、人々を幸せにすることできる。頷いてくださるのですね。ありがとうございます。本当に嬉しいです。たとえまたいつか一人になってしまっても、私は貴女の思い出を胸に、その先も生きていくことができるでしょう。貴女を愛しています。永遠に
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[j]XYO15 RQB5GA[/j]十二、敬愛
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[j]XYO15 RQB5EW[/j]入ってもよろしいですか?失礼します。どうしてもお話ししたいことがありまして。いつの間にか春になったんですね。貴女と出会ってから、早くも一つの季節が過ぎ去ってしまいました。山から街へ下りる道は、もう覚えられましたか?そうですか。よかったです。ならば、貴女をここに残しても、そう不都合はないでしょう。これからしばらく、また全国行脚の旅に出ることにしました。今度こそちゃんと伴天連として、キリスト教を布教しようと思っています。そして最後は島原に向かい、すべての同志たちに今また黙祷を捧げたいのです。大変な旅になりますから、貴女を連れていくつもりはありません。本当は命に限りがある貴女と離れるのは辛いのですが、一刻も早く私はすべての土地に主の教えを広めに行く必要があります。そして、全国を回り終えた時、やっと私は心から安心して、貴女のそばに寄り添うことができる気がするのです。だから、どうか私が戻るまで、ここで待っていてくださいませんか?貴女なら、そうして微笑んでくださると思っていました。わがままを聞いてくださり、ありがとうございます。そうだ、これを受け取ってください。新しく鏡を買ってきました。前に差し上げたのと同じ色の物があと一つだけあったんです。なので、今度からはそちらを使ってください。それと、よろしければ、あの割れた鏡を私にくださいませんか?旅に持って行きたいのです。はい、あの鏡があれば、蓋を開く度きっとあの美しい夜のことを思い出せる。自分が夜叉であると改めて認識できると共に、貴女が私にくださったあの大きな慈悲の心を、いつだって鮮明に思い出すことができるでしょう。ありがとうございます。大切にしますね。さて、では、そろそろ行きます。次にお会いする時は、貴女は歳を重ね、今よりも少しばかり大人びていることでしょうね。けれど、私は今の姿と何も変わらぬまま、貴女のもとへ戻ります。これから先、貴女の姿だけがどんどん変わっていくことでしょう。それでも、私が貴女をお慕い申し上げている気持ちは永遠に変わりません。そう、それが百年後であっても、千年後であっても、私は一人記憶の中の貴女を頼りに生きていく。だから私は、貴女の限りある時間の中、一分一秒でも長く共に過ごせるよう、すぐに戻ってきます。寄り道なんてしている暇はありませんからね。さあ、手をこちらに。お元気で、私のたった一人の愛しい人。どうか、貴女様に多大なる神のご加護があらんことを。では、行ってきます
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